多くの人にとって、定年退職後の生活に不安を抱えるのは当然です。現在の日本では、ほとんどの企業が定年を60歳としていますが、2025年からは65歳が義務化され、希望があれば70歳まで働ける可能性があるとはいえ、収入の大幅な減少は避けられません。今回は、定年や収入減少を見据えながら、フロー収入を増やし、安定的な収入源を作る方法を考えます。
定年退職の現状と他国との違い
現状、日本の多くの企業では60歳を定年としていますが、2025年からは65歳定年制が義務化されます。また、労働者が希望すれば70歳までの雇用延長を企業が努力目標として掲げています。しかし、世界の多くの国では法律上の定年制が無かったり、既に定年制が廃止されている国が多く、日本も今後、定年制が無くなる可能性があるといわれています。
給料の減少と継続雇用の実態
多くの企業では55歳で「役職定年」を迎え、給与が減少する傾向にあります。55歳以降は昇進がストップし、給与も年々減っていきます。さらに、60歳で定年を迎えると、多くの人は再雇用制度を利用することになりますが、その場合の給与は一気に減少します。
再雇用には、会社の依頼による継続雇用と、本人の希望による継続雇用の2種類がありますが、前者の場合を除き、大幅な給与カットが一般的です。このように、定年後も働く選択をしたとしても、これまでと同じ生活水準を保つのは難しいのが現状です。
老後の生活費と収入のギャップ
厚生労働省のデータによると、55歳までの平均月収は31万円ですが、55歳を過ぎると30万円に減少し、60歳での再雇用時には23万円、65歳での年金受給額は平均22万円とされています。一方で、最低限必要な老後の生活費は月27万円とされています。年金受給額では約5万円不足するため、退職金や貯金を取り崩す必要があるかもしれませんが、それも限界があります。
フロー収入を増やす方法
老後の生活費を補うためには、新たなフロー収入源を見つけることが重要です。以下に、収入を補うための具体的な方法をご紹介します。
1. 副業で新たな収入源を作る
副業を始めることで、毎月の収入を増やすことができます。例えば、これまでの仕事で培った経験を活かして、ライティングやコンサルティング、講師業などの副業に挑戦することが可能です。特にオンラインでのサービス提供や、デジタルマーケットでの販売は初期投資が少なく、フロー収入を増やしやすい選択肢です。
2. 資産運用で収入を得る
資産運用も、安定的なフロー収入を得る手段のひとつです。例えば、株式投資や投資信託、不動産投資などで配当収入や家賃収入を得ることができます。リスクは伴いますが、資産を運用することで長期的に安定した収入を得ることが可能です。特に、分散投資やリスク管理を行いながら運用を行うことで、より安心して資産を増やせます。
3. スキルを磨き、コンサルティングやアドバイザーとして活動する
55歳以降の「役職定年」を迎えたとしても、知識や経験を活かしてコンサルティングやアドバイザーとしての活動を行うことで、収入を補うことができます。コンサルティング業務は時間単価が高いため、短時間で高収入を得られる可能性があり、柔軟な働き方も可能です。特定の分野でスキルを磨き、専門的なアドバイザーとして活動することも視野に入れると良いでしょう。
4. 短期バイトや契約社員として働く
短期的なバイトや契約社員の仕事を探すことも、定年後の収入を補う方法です。例えば、専門的な知識を活かして企業のプロジェクトに参加したり、時間に融通が効くアルバイトを選んだりすることで、収入源を増やすことができます。契約社員の仕事は柔軟性があり、ライフスタイルに合わせて働けることが多いのもメリットです。
5. オンラインビジネスを始める
インターネットを活用して、自分の趣味や特技を活かしたオンラインビジネスを始めることも一つの方法です。ブログやYouTube、SNSを使った情報発信で広告収入を得たり、電子書籍やオンライン講座を販売したりすることで、収益を生み出せます。オンラインビジネスは初期費用が少なく、始めやすい点が特徴です。
まとめ:老後に備えて今からフロー収入を増やそう
定年後における収入減少のリスクを考えると、今からフロー収入を増やしておくことが、老後の安心につながります。副業や資産運用、コンサルティング活動、オンラインビジネスなど、自分に合った方法を取り入れることで、安定的な収入を確保し、老後の生活に余裕を持たせることができます。
早めに行動を起こし、自分の将来を見据えて準備することで、経済的な不安を軽減し、充実した老後を過ごせるようにしましょう。