副業が安定して収入を生み出し始めると、ふと「このまま本業を辞めて、副業に専念できたら…」と考える人も少なくありません。しかし、勢いで本業を辞めるのはリスクが高く、現実的な生活維持が難しくなる可能性もあります。そこで今回は、いくら稼げば本業を辞めても大丈夫なのか、その目安と準備のポイントを詳しく解説します。
1. 生活費を把握し、必要な収入を明確にする
まずは、現在の生活費を明確に把握することから始めましょう。生活費は、基本的に以下のような項目に分けられます。
- 住居費：家賃や住宅ローンの返済額。
- 光熱費：電気、ガス、水道など。
- 食費：毎月の食事にかかる費用。
- 通信費：スマホやインターネットの料金。
- 保険料：生命保険や医療保険の支払い。
- 交通費：通勤や移動にかかる費用。
- 交際費・娯楽費：交友関係や趣味に費やすお金。
- 貯蓄・投資：将来のための貯金や投資に回す額。
これらを合計して、「最低限必要な生活費」を把握することが大切です。例えば、月に20万円必要だとすると、それ以上の金額を安定して稼ぎ出せることが、本業を辞めるための一つの基準になります。
2. 税金や社会保険料も考慮する
本業を辞めると、副業収入から税金や社会保険料を自分で納める必要があります。一般的には、所得税や住民税、そして国民健康保険料や国民年金保険料がかかります。これらを見越して、手取りが減っても生活に支障が出ないよう、計算しておくことが重要です。
税金と保険料の目安
- 所得税と住民税：収入の約15〜20％程度が目安です。
- 国民健康保険と年金保険料：年間20万円以上かかる場合もありますが、収入に応じて変動するため、区役所や税理士などに確認しておくと安心です。
仮に生活費が20万円なら、税金や保険料を含めて月25〜30万円程度の収入が必要となる計算です。これを基に、月30万円以上を安定して稼げる状態であれば、本業を辞める準備が整ってきたと言えるでしょう。
3. 生活費の1.5倍以上の副業収入が理想
副業収入が生活費をカバーできることが前提ですが、予期しない出費や収入が不安定になるリスクを考慮すると、生活費の1.5倍程度の収入が望ましいです。たとえば、生活費が20万円の場合、副業で30万円程度の収入があれば、急な出費にも対応しやすくなります。
また、副業収入が生活費をカバーできるだけではなく、将来的な貯蓄や緊急時の資金も含めて確保できると、より安定した生活が実現できます。この余裕が本業を辞める決断に重要なポイントとなります。
4. 副業の収入が安定しているか確認する
副業によっては、一時的に収入が増えても、季節や景気の影響で変動が大きいものもあります。本業を辞める前に、副業収入が安定しているか、できれば半年以上はコンスタントに稼げている状態を確認しておきましょう。
副業収入が安定するためのポイント
- 収入源を多様化する：単一の案件やクライアントに依存しないよう、複数の収入源を持つことでリスクを分散します。
- 定期的なクライアントや契約の確保：継続的な案件や定期的に発注をもらえるクライアントを確保すると、収入が安定します。
- リピーターの確保：顧客との関係を構築し、リピート案件が増えることで収入が長期的に安定します。
5. 副業専業になった際の収入増加プランを持つ
本業を辞めて副業一本で生活するには、さらに収入を増やすためのプランが欠かせません。例えば、以下のような収入増加策を検討すると良いでしょう。
新たな収入源を模索する
- 他の副業やビジネスモデルを追加することで、収入の幅を広げます。例えば、ブログやYouTubeなどで広告収入を得る、オンライン講座やデジタル製品を販売するなど、多様な収入源を確保します。
単価や報酬を引き上げる
- スキルを磨き、より高単価の仕事に挑戦することで、収入を増やすことが可能です。特に、専門性の高いスキルを活かした副業は報酬が高くなりやすいため、資格取得やスキルアップの投資を検討しましょう。
コスト削減や効率化で収益率を高める
- 副業専業になった際の固定費やコストを見直し、効率化を図ることで収益率を改善します。例えば、業務効率化ツールを導入し、作業時間を短縮して収入単価を向上させるなどの工夫が有効です。
6. 緊急時の貯蓄を確保しておく
本業を辞める前に、万が一の事態に備えて貯蓄を確保することが重要です。目安としては、生活費の3〜6ヶ月分程度の貯金があると安心です。収入が不安定な状況でも、当面の生活費をカバーできる資金があれば、余裕を持って副業に専念できます。
まとめ：副業で本業を辞めるための目安
副業で本業を辞めるためには、安定した収入と緊急時に備えた準備が必要です。以下のステップを参考に、本業を辞めても安心して生活できるような準備を整えましょう。
- 生活費と必要な収入を把握：まずは、自分の生活費を見直し、どれだけ稼げば生活を維持できるかを確認します。
- 税金や社会保険料を考慮：本業を辞めた際の税金や保険料を計算し、それも踏まえた収入目標を設定します。
- 収入の安定性を確認：少なくとも半年以上は安定した副業収入を得てから本業を辞める決断をするのが賢明です。
- 収入増加のプランを立てる：本業を辞めた後も、さらに収入を増やすための具体的なプランを持ちましょう。
- 緊急時の貯蓄を確保：生活費の3〜6ヶ月分の貯蓄を持つことで、不測の事態に備えられます。
これらの準備を整え、副業が生活の基盤となる収入を安定して得られるようになれば、本業を辞めるという選択肢も見えてくるでしょう。しっかりとした計画を立てることで、副業の成功を確かなものにし、より自由で充実した働き方を実現していきましょう。